第三回 そば切りの起源


 日頃何気なく食べているお蕎麦ですが、いったい私達日本人はいつ頃から
「お蕎麦」を食べているのでしょうか。
 今回はお蕎麦の起源に迫ってみたいとおもいます。

資料によりますと、日本での蕎麦の栽培は五世紀の中頃だといわれていますが、
いわゆる「そば切り」としての歴史は浅いようです。
大衆食として江戸を始めとする都市に普及したのは江戸中期に入ってからのことで、
農村などでは蕎麦は「ハレの日」や振る舞いのためのご馳走だったのです。
そば米やそばがきに代わる新しい食品としての「そば切」の起源がいつ頃かというと
まだ不明な事が多く確定はされていないそうです。

室町時代の文献には、うどんやそうめんきり麦など10種類余の麺類が記載されてるが
「そば切り」の用語は出てこず、今のところ「そば切り」の初見とされるのは、
慶長年間の文献『慈性日記』で、その中に江戸の仲間と一緒に銭湯に出かけたが
混んでいたので常明寺に帰って、そば切りをご馳走になったという記述がある。
この書き方からは特に珍しがっているようにも思えないので、慶長年間にはすでに
「そば切り」が打たれていたのではないかと推測されるようです。
寛永二十年刊の日本初めての料理専門書『料理物語』後段の部には「蕎麦きり」の
製法の初見があるそうです。

ところで「そば切り」は日本独自の食品と多くの人がおもっている節がありますが、
麺類の本家は中国で日本よりはるか昔に発明されているのです。
十二世紀初頭にはすでに、華北では当時の中国で「河婁(かろう)」
と書いた「蕎麦麺」が市の売り物として売られていたようです。


■参考文献■
   企画(社)日本麺類業団体連合会
   そば・うどん 百味百選  ISBN4-388-35187-3 C0077

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